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Trailer
Introduction
オキナワより愛をこめて
2023年/日本・アメリカ/日本語・英語/101分
監督・カメラ・サウンド・編集:砂入博史
出演:石川真生
プロデュース: 砂入博史 + イドレ・バッバイヤー
オーディオ・ミックス :アダム・スコット
サウンド:吉濱翔
字幕:酒見南帆
音楽:アダム・スコット、吉濱翔、米田哲也、北崎幹大、大城修一
協力:吉濱翔、仲里効、大橋弘基、大野亨恭、大琉球写真絵巻実行委員会メンバー
オリジナルサウンドトラック:「琉球ハイブリット」 北崎幹大 2019/「オキナワより愛をこめて」 北崎幹大 + 吉濱翔 2019
early elephant film + 3E Ider © 2023
醜くも美しい人の一生、私は人間が好きだ。
ー 石川真生
1971年11月10日、米軍基地を残したまま、日本復帰を取り決めた沖縄返還協定を巡り、沖縄の世論は過熱していた。ストライキを起こした労働者と、機動隊の衝突は、警察官一人が亡くなる事件に発展した。当時、10代だった石川は、この現場を間近で目撃した。「なんで沖縄にはこんなに基地が多くて、なんでこんなに色んな事件事故が多いんだろう」。同じ沖縄人同士の衝突がきっかけとなり、浮かんできた疑問が、石川を写真家の道に進ませた。
1975年、米兵を撮るために、石川は友人を頼り、コザ照屋の黒人向けのバーで働き始める。バーで働く女性たちや、黒人たちと共に時間を過ごしながら、日記をつけるように、石川は写真を撮り続けた。
当時の生活が収められた3冊の写真集「熱き日々 in キャンプハンセン!!」(1982)、「熱き日々 in オキナワ」(2013)、「赤花 アカバナー 沖縄の女」(2017)を手に、およそ半世紀が経った今、当時の記憶を回想する石川。石川自身が「最も大事にしてる写真」と語る作品、そこに納められた人々との物語が語られていく。写真家、石川真生による自由な生き方を肯定する「人間賛歌」が誕生した。
Profile
石川真生
1953年、沖縄県大宜味村生まれ。
1971年、11.10ゼネストを機に、写真家になることを決意する。
1974年、WORKSHOP写真学校「東松照明教室」で写真を学ぶ。
1975年、米軍向けのバーで働きながら、米兵とバーで働く女性たちを撮り始める。半世紀に渡り、沖縄を拠点に制作活動を続け、沖縄に関係する人物を中心に、人々に寄り添いながら写真を撮り続けている。
2011年、『FENCES, OKINAWA』で、さがみはら写真賞を受賞。
2019年に日本写真協会賞作家賞、2024年には土門拳賞、文科大臣賞を受賞。
監督:砂入博史
1972年広島で生まれ、ニューヨークを拠点に活動する。
1990年に渡米し、ニューヨーク州立大学現代美術科卒業後、欧米、日本の美術館、ギャラリーにてパフォーマンス、写真、彫刻、インスタレーションの展示を行う。近年は、チベットや福島、広島の原爆等をテーマにした実験ドキュメンタリーを制作。
2018年の袴田巌をインタビューした『48 years – 沈黙の独裁者』は同年熱海国際映画祭長編コンペで特別賞をもらう。
2001年からニューヨーク大学芸術学科で教鞭も執る。
併映作品
オキナワ・フィラデルフィア
監督:砂入博史
2022/56分/日本・アメリカ/日本語・英語
70年代に米海兵隊員として沖縄で若き日々を過ごしたマイロン・カー。友人として彼と青春を分かち合った写真家、石川真生は、その10年後、帰郷した彼を訪ねてフィラデルフィアへ単身で渡米。当時、黒人の住民がほとんどだった街で、生命力に満ち溢れた人々の姿をフィルムに納め、『ライフ・イン・フィリー』を発表した。本作品では、マイロンの遺族と石川の語りを通し、当時の状況をビビッドに振り返るとともに、沖縄から帰った後のマイロンの葛藤を紐解いてゆく。
※劇場により、上映有無が異なります。詳しくは各劇場ホームページをご確認ください。
Comments
運動ではなく写真を選んだという石川さんの実践、話、生活、写真。そのどれもが「愛」という言葉とともにあるせいか、ベル・フックスの思想が思い起こされた。写真というメディアをどう捉えたらよいか、わからなくなってからは迷いながら続けている自分だが、写真を始めたきっかけや初期の作品に持っていた信念を、被写体——特に女性たち——に対する愛情と尊敬に溢れる石川さんの言葉が、呼び戻してくれたような気がした。石川さんについて、わたしはほとんど何も知らない。けれどすごくわかる、わかってくれているという、昨今では安易な共感と一蹴されるのだろう素朴な気持ちを抑えられなくなった。人がなんと言おうが、自分の感じたことを信じて生きていけばいいと、石川さんのように思ってみることにする。
長島有里枝
写真家
『黒人米兵』や『彼らを取り巻く女たち』としてではなく、色眼鏡無しで、一個人として彼らを尊重し、同じ地平、真っ直ぐな態度で目の前で生きている彼らと付きあった。それは石川さんの彼ら彼女らに対する愛だし、そしてそんな自身の生き方を肯定したいという愛であったように感じた。当時の沖縄や米軍での黒人兵の見られ方など考えると、二重三重に侵略され差別される意識が混ぜこぜであったろうに。自分は歌舞伎町や築地市場で地べたに這いつくばって写真を撮り続けてきましたが、石川さんのような態度をとれていたか。
頭でっかちで事前に簡単に得られる情報で分かったふうになっていなかったか?とガツンと一発パンチを食らった思いです。
そして石川さんが本土の人のことを言うときの「ヤマトの人」という言葉は、この状況を作ったお前たちどう考える?と突きつけられているようでヒリヒリと沁みました。
沼田学
写真家
生きる、愛す、殺す、愛される、生かされる。 沖縄には相反する人間達を包まなきゃ、進めない歴史がある。余計なお世話だ、まとまるわけはないんだ。ただ生きて、そこで呼吸をする。必死になって人の日常を送る。そんな人達がいる。それでいい。嘘のない人間達が、私も好きだ。
玉城ティナ
女優
石川真生さんのかっこいい生き様が、70年代のオキナワの姿と共に生々しく記録されたドキュメント映画。
鑑賞しながら何度も深く頷いてしまった。
そして石川さんに寄り添うカメラの視線が何とも優しい。
「写真という作品は残る」という言葉から勇気をもらった。
瀧本幹也
写真家
ファインダーの向こうにある現実を見つめるのは写真家の勤めですが、その現実が複雑で人の見る目が極端に分かれているときに写真家の姿勢が問われます。沖縄の米軍基地の街で、石川真生さんが全く偏見無しで、タブーを恐れず、真っ直ぐに米兵やバーで働く女性たちを見つめ、一緒に暮らして、撮り続けました。真生さんがいなければ見えてこなかった沖縄の顔はそこにありました。本人も言うけれども、宝物です。Ishikawa Mao is a force of nature.
ジャン・ユンカーマン
ドキュメンタリー映画監督
自分のぜんぶをさらけ出し、相手をまるごと受けとめる。
誰より強くてあたたかい真生さんを通して、私は沖縄に出会いました。
梯久美子
ノンフィクション作家
ニューヨークを拠点に活動する現代美術家であると同時に、社会的なテーマを追求するドキュメンタリーの映画監督でもある砂入博史。その最新作は、沖縄をめぐる人々を、その生活とともに捉えた写真で知られる写真家の石川真生を追ったドキュメンタリーである。
沖縄を舞台に稀代の写真家の姿を収めた砂入の映像は、生の輝きを捉えた石川の写真とともに、淡々と確かな言葉を連ねるその語りの魅力を存分に引き出しており、沖縄と写真家に刻まれた歴史と現在の生き生きとした姿をあざやかに浮かび上がらせている。沖縄の過去と現在の映像にポップなグラフィックを重ねるその独特な表現は、沖縄の描き方として清新であり、1970年代の文化を映し出す石川の作品とも深く共鳴している。
加治屋健司
美術史家・東京大学教授
アメリカ植民地主義や軍需産業、土地や人と引き換えにお金を稼ぐ日本政府の商売根性を前に、ヒューマニティは無力なのだと思ってきたが、石川真生さんの写真と言葉が、自分は間違っていたかもしれないと思わせてくれた。一見、支配されているように見えて、人間愛は負けていない。非差別・非暴力を実践し、抵抗を諦めずに互いの存在を祝福し、笑い合い、愛し合い、誰になんと言われようと自分たちの幸せを追求するだけで、私たち人民は、十分勝っているのだ。
佐久間裕美子
ライター/アクティビスト
肯定の思想、ファインダーの直接話法、愛の唯物論、北緯27度以南の正午の影、昼間の湿り気と光線、夜の匂いと体温。
それらすべてを写真にまるごと捕まえてきたひとりの有機的写真家と、彼女をレンズ越しに見つめる監督の眼差し。
ふたりの絶妙な距離感なしでは撮りえないシーンが幾つも連なる稀有な映像に、セッションのような音楽が丁寧に小気味よく重ねられる。
石川真生の憤りと優しさに触れ、ひとも土地も未完成のままで生きている、生きていく。
アコークローの波間に小さな帽子が漂う。
前嵩西一馬
文化人類学者
Theaters
北海道・東北
関東・甲信越
都道府県 | 劇場 | 上映期間 | 電話番号 | 『オキナワ・フィラデルフィア』上映有無 |
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東京 | シアター・イメージフォーラム | 上映終了 | 03-5766-0114 | 上映無し |
東京 | 東京都写真美術館 | 10/5(土)~10/11(金) | 上映有り | |
神奈川 | 横浜シネマリン | 近日上映 | 044-955-0107 | |
神奈川 | 川崎市アートセンター | 10/5(土)~10/11(金) | 044-955-0107 | 上映無し |
千葉 | キネマ旬報シアター | 10/5(土)~10/11(金) | 04-7141-7238 | 上映無し |
栃木 | 小山シネマロブレ | 上映終了 | 050-3196-9000 | 上映有り |
栃木 | 宇都宮ヒカリ座 | 10/4(金)~10/10(木) | 028-633-4445 | 上映有り |
長野 | 長野相生座・ロキシー | 11/29(金)~12/5(木) | 026-232-3016 | 上映有り |
東海
都道府県 | 劇場 | 上映期間 | 電話番号 | 『オキナワ・フィラデルフィア』上映有無 |
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愛知 | ナゴヤキネマ・ノイ | 10/5(土)~10/18(金) | 052-734-7467 | 上映無し |
関西・中国
九州・沖縄
都道府県 | 劇場 | 上映期間 | 電話番号 | 『オキナワ・フィラデルフィア』上映有無 |
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沖縄 | 桜坂劇場 | 上映終了 | 099-222-8746 | 上映有り(8/24のみ) |
福岡 | KBCシネマ | 11/22(金)~11/28(木) | 092-751-4268 | 上映有り |
佐賀 | シアター・シエマ | 10/25(金)~10/31(木) | 0952-27-5116 | 上映無し |
熊本 | Denkikan | 10/4(金)~10/10(木) | 096-352-2121 | 上映無し |
鹿児島 | ガーデンズシネマ | 11/9(土)~11/10(日) | 099-222-8746 | 上映無し |
沖縄 | ミュージックタウン音市場 | 9/6(金)~10/10(木) | 098-932-1949 | 上映無し |
沖縄 | よしもと南の島パニパニシネマ | 9/27(金)~10/10(木) | 098-075-3215 | 上映無し |